ルーブル美術館とのコラボ!『ルーブル美術館のエクソシスト“Fauve”』
2005年、ルーヴル美術館とフランスの出版社フュチュロポリスは、ニコラス・ド・クレシーの『氷河期』の出版(2010年SHOPROが日本語版を出版)を皮切りに、権威あるコミックレーベルを作りました。バンド・デシネの作家だけではなく、マンガ家(谷口ジロー、荒木飛呂彦、浦沢直樹、松本大洋など)にも自由な創作の場を提供し、世界最大の美術館であるルーヴルの扉を開いたこのレーベルは、美術、芸術、コミックの世界をつなぐ架け橋となります。
その20年後である2025年、アルゼンチンのマンガ家パウラ・アンドラーデの『Fauve,l’exorciste du Louvre(ルーブル美術館のエクソシスト“Fauve”)』(ベガ・デュピュイ社)の出版により、ルーヴル美術館はマンガの世界に参入しました。ルーヴル美術館と公式にコラボレーションして制作されたこの最初のオリジナルマンガは、もちろんパリのルーヴル美術館を舞台にしていますが、レンズ市にある2つ目の美術館であるルーヴル・レンズも舞台となっています。
ルーヴル美術館より本レーベルのアーティスト探しの依頼を受けた当社は、南米まで赴き、ロサリオ市(リオネル・メッシの故郷)で開催されたアルゼンチン最大のコミックイベント「Crack Bang Boom 2023」でパウラ・アンドラーデ氏と出会いました。彼女の独自のスタイル、マンガの技量、そして美術への情熱は、ルーヴル美術館のマンガレーベルにぴったりのアーティストとして、すぐに注目を浴びました。
当社は、このルーヴル美術館とのレーベルをパウラ・アンドラーデと共に実行し、現在はシリーズの編集管理と翻訳(スペイン語からフランス語)を担っています。
Fauve,l’exorciste du Louvre(ルーブル美術館のエクソシスト“Fauve”)
シリーズ:1巻/6巻
出版:2025年2月~
版型:200ページ、白黒、180×130mm、右開き
ジャンル:青年漫画
あらすじ
芸術作品と意思疎通ができるファウヴ(Fauve)は、世界最大の美術館であるルーヴル美術館でエクソシストとして働いています。絵画、彫刻、そしてごく小さな装飾美術品まで、彼女が注意を払わなければならない芸術作品は多岐にわたります。
ファウヴとセキュリティ部門の同僚たちは、危機に瀕した名作(『メデューズの筏』など)や、単に庭でくつろぎたい絵画など個性あふれる美術品の数々とともに、ルーヴル美術館の安全を守りながら、少しずつお互いを理解していきます。
ファウヴは、芸術作品が人々に与える影響を検知し、それを落ち着かせることができる自分の仕事を気に入っています。しかし、そんな彼女にとって人間社会は難しいもので、一緒に働くほとんどの仲間との関係にも困難が付きまといます。職場の人間関係は彼女の私生活にも影響を及ぼし、母親との関係までをも悪化させていきます。
Paula ANDRADE パウラ・アンドラーデ
1982年生まれのブエノスアイレス出身のマンガ家です。古典神話や少年マンガ(特に『聖闘士星矢』)、ビデオゲームなどの壮大な世界観に強く影響を受け、モノクロの優雅さに特別な親しみを感じています。
彼女の作品はアルゼンチン、ブラジル、フランス、イタリアで出版されており、ゴシックとファンタジーの視点から、人間の心理を探求することをテーマにしています。